心理カウンセラーの仕事とは?
心理カウンセラーとは、人々の心のケアをするのが仕事です。
具体的には、「うつ」「ひきこもり」「不登校」「PTSD」「摂食障害」といった心のトラブルや悩みを抱えているクライアント(相談者)に対して、心理カウンセリングを行います。
カウンセリング=治療と考える方もいますが、正確には改善するためのアドバイスや道筋を一緒に考えることです。
現在、心理カウンセラーとして活動している人は、大きく分けて次の3つのタイプに分類されます。
① 大学や大学院で心理学を学び、臨床心理士に代表される資格を取得し、心理カウンセラーとして活動している人で、もっとも多いタイプといえます。
② 企業や団体に属していて、学会や協会が開催する講座を受けて資格を取得し、心理職として活動する人で、カウンセリングの知識を本業で活かします。
③ ひと通りの心理学の基礎知識を身につけて、資格の有無に関係なく活動する人で、人生経験を活かしながらカウンセリングします。
いずれのタイプも、心理学の専門知識を基にクライアントの心の問題解決を援助するのですから、プロとしての実力が求められることに変わりはありません。
心理カウンセラーの資格は?
名刺に「心理カウンセラー」と書いて、今日からカウンセリングをはじめることもできます。
実際に、資格を持たなくてもプロの心理カウンセラーとして活躍している人は少なくありません。
しかし、仕事としてのカウンセリングを考えて「心理職」と呼ばれる職業に就きたいのであれば、各職種によって必要とされる資格があります。
各分野の心理学関連団体や協会などが認定する、心理カウンセラー関連の資格は、100種以上に及びます。
ここでは代表的なものを5種ほど紹介しましょう。
① 臨床心理士
臨床心理士は、文部科学省が認可した日本臨床心理士資格認定協会が行う審査で認定される資格。
臨床心理学の知識と技術に基づいた実践によって、いろいろな心の問題を解決に向けて援助します。
協会の認定を受けた大学院修士課程を修了するか、臨床心理士養成にかんする専門職学位過程を修了しなければ、受験資格を得られません。
② 認定カウンセラー
日本心理カウンセリング学会によって認定される資格で、個人だけでなく集団や組織の成長と問題発生の予防に重点が置かれています。
一般の受験者は、日本心理カウンセリング学会に入会後2年以上経過し、同学会の「認定カウンセラー養成カリキュラム」で210時間以上学習をしていることなどが条件となります。
③ 産業カウンセラー
働く人の心理的問題を自らの力で解決できるように援助する産業カウンセラーは、日本産業カウンセラー協会が認定し、上位の資格であるシニア産業カウンセラーもあります。
産業カウンセラーの受験資格は、満20歳以上で、協会の養成講座を修了することが条件。
また、就職や転職に悩むクライアントを支援する「キャリアコンサルタント」は、2016年に国家資格となった資格で、日本産業カウンセラー協会の講習を修了すると受験資格が得られます。
④ 心理相談員
厚生労働省が、労働安全衛生法に基づいて推進してきた「トータルヘルスプロモーションプラン(THP)」の一環として、1988年から導入されたストレス対策(メンタルヘルスケア)の担い手として設定されたのが心理相談員。
中央労働災害防止協会が実施する専門研修を受講して登録すると資格が取得できます。
⑤ 学校心理士
学校心理士は、学校という領域で発生する、いじめ、不登校、学級崩壊といった子どもが抱える心の問題を解決する援助を行います。
申請によって学校心理士認定運営機構が認定する資格で、2011年には上級資格として学校心理士スーパーバイザーが設定されました。
まとめ
心理カウンセラーは華やかな職業だと思われることも多いのですが、実は結構ハードな職業だったりします。
しっかり勉強して人の役に立ちたい!と思っていないと負の連鎖に飲み込まれてしまうことも・・・
収入の面も正直低いです。
もちろん、職場や職種によって差はありますが、一般的には高収入とはいえない職業です。
それでも、カウンセラーになりたいと希望する人が増えているのは、心理学に対する向上心や、人の役に立ちたい、悩んでいる人を助けたいという情熱を大事にしたいと考える人が増えているからだといわれます。
ボランティアとしてカウンセリングを行う人が増えているのも、困っている人の心を援助することが生きがいに感じられるからだといいます。
まずは心理学を学び、そこに本気で打ち込める要素のあることが、資格取得以前にカウンセラーの条件になるといえそうですね。
最後まで読んでいただきありがとうござおました。